
産後に不調を訴える方は結構いらっしゃいます。妊娠中はエストロゲンが大きく増加して胎児の成長を助けますが、出産にともなってエストロゲンを分泌していた胎盤がなくなるため、エストロゲンがいきなり低値になってしまいます。中国医学では出産は血を消耗する行為と考えられており、産後は血虚という状態になることが多いとされます。中国医学でいう血は筋肉や関節の働きを助け、髪の毛を育て、精神を安定させる作用があるため、血が少なくなると気分の落ち込み、物忘れ、イライラなどの精神症状、脱毛や皮膚の乾燥、筋肉や関節の痛みなどが現れやすくなります。これはちょうど体内でエストロゲンが担う作用と一致しています。中国医学では当帰、地黄、何首烏、阿膠などの甘味で血を増やすとともに、芍薬や旱蓮草などの酸味を組み合わせて血を必要な部位に集めます。ただし血の不足のみでなく、気血の滞りや、体内の熱が原因となる場合もありますのでそれぞれの体の状態に応じた治療を行うことが重要です。産後の不調を感じていらっしゃる場合は早めにトカゲ堂医院にご相談ください。